80年以上前の山口県産徳山石の墓石のリフォーム工事。下関市豊浦町寺院墓地

ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。下関市から北九州を中心に、お墓専門にお仕事をさせていただいております、天の石材の天野です。下関市豊浦町のお寺様墓地にて、80年以上前に建てられた山口県産徳山石の墓石を、観音扉式の納骨室のお墓へリフォームする工事をさせていただきました!

 

下関市豊浦町寺院墓地 墓石リフォーム工事  山口県産徳山石

 

「お墓を建て直したいんだけど」というお客様からのお問合せで、ご一緒にお墓を確認させていただくことになりました。下関市豊浦町にお住まいの方で、ホームページをご覧になってご連絡をくださいました。

 

こちらがご相談いただいたお墓です。お客様はお墓の汚れが気になっていらっしゃって、まず最初に「これは落とせますか?」とお尋ねがありました。汚れはクリーニングをすればきれいになりますよとお伝えすると、お墓自体も古いので、可能ならきれいにした石を使用して建て替えをしたいとご希望でした。また、正面から見たこのお写真でも分かりますが、お墓は右手前に向かってずいぶん傾いています。

 

棹石です。昭和14年、83年前に建てられたお墓で、確かに長い間に水垢やカビのような汚れが付着していましたが、大切にお参りをされていることが伝わるお墓でした。ただ、お墓に使用されているのは山口県産の徳山石という品質の良い石で、クリーニングをすればきれいにすることができます。

 

後方です。昭和14年のお墓なので、すべて手加工のお墓ですが、棹石の額彫りや蓮華なども細かく手の込んだ加工がなされていました。建て直すにあたり、観音扉式の地上型納骨室のお墓にしたいというご希望がありました。その際、この蓮華台とその下の座布団・猫足の台座は安定感が保てないので、使用せずに取り外すことにしました。

 

台座部分です。この部分は水垢と苔などで汚れてはいますが、クリーニングをして使用できるところは残します。表面は磨き仕上げではない粗仕上げとなっているので、汚れも溜まりやすくなっています。

 

また、このお墓の後方にはさらに昔のご先祖様のお墓と思われる個人墓と夫婦墓が建てられていました。

 

少し離れたところにある2基も、お客様のお墓でした。こちらの2基はご希望で、先ほどの3基のお墓の後方に移動させることになりました。最終的に、代々のお墓のリフォーム、ほかのお墓の整備等をご依頼いただいて、工事に入らせていただきました。

 

工事の様子です。事前にお寺様とお施主様で閉眼供養をしていただいて、後日ご遺骨の取り出しを行い、お墓の解体工事に入りました。取り外したお墓は、工場でクリーニングを行うため持ち帰ります。

 

移動させる2基のお墓の取り外しも終えました。

 

代々のお墓の解体取り外しが終わりました。3基のお墓の後方に、移動してきた2基も設置が完了しました。

 

持ち帰ったお墓の部材は、工場の資材置き場に保管します。きれいにクリーニングを行い、必要に応じて加工を行います。今回再利用する台石は、80数年前に手加工で作られていて今のお墓のようにまっすぐな面ではなく、デコボコしているところもありますので、カットしてきれいに整えます。

 

現場では、基礎工事の準備が始まりました。砕石を敷いてランマ―という機械で締め固めています。

 

木枠を組んで、中に配筋して基礎コンクリートを打つ準備をしました。

 

コンクリートを流し込んでしばらく養生期間を置いて、基礎が完成しました。中央は土残しで、納骨室の下になる場所です。

 

基礎の上に芝台を設置しました。角の部分はステンレス製の耐震L字金具を取り付けました。この上に地上型の納骨室を設置していきます。

 

納骨室の柱と壁石を組み、手前の扉を取り付けました。柱の角もずれないように、L字の金具を使用しています。奥には2段の棚を設置しています。もともと納められていたご遺骨の数が多かったので、棚石を2段設けてたくさんのご遺骨を納められるようにしました。

 

納骨室の天板を据え、持ち帰って底面をきれいにカットして整えた2枚石(台座)を据えました。

 

上台と水鉢を設置しました。きれいにクリーニングをしたので、汚れが落ちてとてもきれいになっています。

 

クリーニングした棹石を据えて、香炉や花立、墓誌等も設置しました。これで据え付けは完了です。

 

設置後、現地で正面文字の色の入れ直しを行って、すべての工事が完了です!

 

大容量の納骨室を備えたお墓になりました。花立・香炉は新しくお作りしています。納骨室の側面にあるのは、中に湿気が溜まらないようにするための通気口で、ステンレスのカバーを付けています。また、お墓の手前には一段踏み石を設けました。

 

棹石です。こんなにきれいになりました^^ クリーニングをしたことで本来の石肌が現れています。彫刻の色も入れ直して、文字が見やすくなりました。石と石の間は耐震ボンド等を使って耐震施工で据え、目地も打っています。

 

後方から見たところです。蓮華台や座布団、猫足の台座は取り外して、二つの台座を加工して設置しています。安定感があり、強度面も安心です。

 

台座の汚れもこの通りです!真っ黒になっていた水垢や苔などの汚れが取れて、とてもきれいになりました。石によっては耐久性の点からクリーニングが難しいものもありますが、徳山石はとても良い石なので、しっかりクリーニングをして汚れを落とすとここまできれいにすることができます。

 

納骨室内はこのようになりました。底には明るい色合いの砂利を敷いています。今後もたくさんのご納骨ができる、広いスペースを設けた納骨室です。

 

後方のお墓は、全て花立を新しくしました。ステンレスの花筒を入れているので、お水の交換なども楽になっています。

 

建碑法要と開眼供養にもご一緒させていただきました。お客様は「こんなにきれいになって」ととても喜んでくださり、これで安心ですともおっしゃっていました。徳山石というとても良い石で建てられていて、それをこれまで皆様が大切にされてきたことで、クリーニングをしてここまできれいにすることができ、お墓の一部を残してリフォームすることができました。新しくなったお墓は、耐震施工で強度も高く、納骨室は換気できるので衛生的で快適な状態でご遺骨を守ることができます。建てられてから80年ですが、もう80年といわず100年と、ずっと守っていくことができるお墓になったと思います。これからも末永く大切にしていただければ嬉しい限りです! このたびは弊社にお声かけいただきまして、ありがとうございました。何かお困りの際には、またいつでもお声かけください^^