約50年前の徳山石のお墓を、地上型の観音扉式のお墓へ建て替え。下関市小月地区

ホームページをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。下関市から北九州を中心に、お墓専門にお仕事をさせていただいております、天の石材の天野です。下関市小月地区にて、約50年前の徳山石のお墓を、地上型の観音扉式のお墓へ建て替えさせていただきましたので、その様子をご紹介いたします!

 

下関市小月地区  墓石建替え工事 既存墓:山口県産徳山石 新規部分:中国産吉林白

 

ホームページをご覧になったお客様からお問い合わせで、ご家族様を亡くされてご納骨にあたり、お墓のお悩みをご相談いただきました。お墓があるのは当社からは2,30分程の下関市小月地区で、現地で待ち合わせをしてお話を伺うことになりました。小月地区は、年に何度かお仕事で伺う地域です。

 

こちらがご相談のお墓です。広いお墓で、コンクリートブロックで囲まれています。まず、入り口の階段は壊れてしまっているのが分かります。ブロックは朽ちていて、土も流れ出てしまっている状況でした。

 

お墓の土間部分も割れて、隙間からは草が生えています。昭和49年建立のお墓で建立から50年ほどが経っていますので、老朽化は避けられません。お客様は、納骨を控えたこの機会にお墓をきれいにしたいとご希望でした。

お墓本体は山口県産の徳山石で建てられていて、見たところ状態も良かったので、「クリーニングをすれば新品のようにきれいになりますよ」とお伝えすると、墓石はできる限り再利用してリフォームをすることになりました。費用も抑えられますし、これまでお参りしてきたお墓を残すことができます。また、納骨室内の状況もご一緒に確認したのですが、お骨壺はひっくり返ってしまい、水も入っていました。そこで、水が入らず納骨や管理がしやすい地上型の観音扉式のお墓をご提案すると、お客様もそうしたいとおっしゃったので、観音扉式で図面を作成して改めてご提案し、工事をお任せいただきました。

 

工事が始まりました。お客様がお寺様とご一緒に読経も済まされていたので、解体時に当社でご遺骨を取り出して、まずは再利用する既存のお墓の取り外しから開始です。棹石の下の上台を吊り上げて解体しているところです。取り外した石は工場へ持ち帰ってクリーニングをします。

 

お墓部分の取り外しが終わりました。中央にあるのは納骨室部分です。このあと重機も投入して、ブロック壁や土間コンクリートなどをすべて取り外します。

 

すべて取り外しを終えて、土だけの状態になりました。奥の敷地はお客様の弟様の墓地で、この機会に一緒に基礎まで打ち、草が生えてこないようにしておくことになりました。後ろのブロック部分は土や水が流れてこないように、今回は残しています。

 

基礎工事の様子です。砂利を敷いて、転圧して地盤を固めます。

 

奥の敷地は、一部ブロックを取り除く必要があったので、土留めのために新しいブロックを積みました。

 

型枠を組んで中に鉄筋を配置し、コンクリートを流し込む準備をしました。

 

コンクリートを流し込みました。奥から手前に向かって傾斜のある場所でしたので、弟様の敷地とは段差を付けています。敷地の区切りでもあります。

 

しばらく養生期間を置いて、基礎が完成しました。中央の四角い穴は納骨室の下にあたる部分です。基礎の表面は、金ゴテを当ててきれいにならして仕上げています。基礎は打ちっぱなしで見えているところもあるので、長持ちするようきれいに仕上げます。

 

納骨室の土台になる四ツ石部分です。この上に納骨室を設置します。

 

納骨室の壁石を設置していきます。正面は観音扉式の入り口になっています。納骨室が地下深くにあった昔のお墓と違って、地面よりも上に納骨室があるので、水が流入することもありませんし、納骨の際もとても楽です。納骨室内もひと目で確認できます。

 

納骨室内には、奥にお骨壺を置く棚石を設置しました。下関でよく使われている6寸(直径約18cm)のお骨壺で、8個は置ける広さです。手前の四角い部分は土残しで、お骨がいっぱいになったらここに古い仏様を還すことができます。

 

納骨室の天板を据えて、その上にもともとのお墓の四ツ石を組みました。工場へ持ち帰ってクリーニングをしていています。また、昔のお墓は底の部分がガタガタしているので、きれいに据えられるように底面をまっすぐにカットしました。

 

四ツ石を据えて、台石を順に据えていきます。耐震ボンドでしっかり接着して、耐震施工で据えていきます。

 

土間に石貼りをして、工事完了です!

全面石貼りなので草が生えることもなく、お掃除もほうきで掃いてサッとできます。見た目もとてもきれいです。また、右側の通路から水が入ってこないように、ブロックを設置して高さを上げました。基礎そのものを高くして水が入らないようにすることもできますが、その分費用もかかりますし、上り下りが大変になってしまいますので、色々な面を考えてこの方法を取りました。傾斜のある墓地が多い下関ではこうした水や土の流入対策は必須ですが、できるだけお客様のご負担が少ない方法を考えることも大切です。

 

既存の墓石は全体にクリーニングをして水垢等の汚れをきれいに落とし、彫刻の色を入れ直しました。徳山石がもともと持っている色合いや石目が感じられるほどきれいになったので、新しい部分と違和感なく、新品のような仕上がりです^^ 花立と香炉はご希望で新しいものをお作りしました。花立はステンレス製の花筒が入る落とし込み式なので、お水の入れ替えやお掃除がとても楽です。香炉は、これまでむき出しだったので雨が降ると水びたしになっていましたが、屋根と扉付きでお天気に関係なくお参りができます。

納骨室など新規の部分は、徳山石と色合いなどのよく似た中国産の吉林白を使用しました。納骨室側面にあるのは空気口で、空気を循環して湿気がたまらないようにします。

 

納骨室内はこのようになっています。建碑法要の前にお骨壺を納めさせていただきました。左右の穴が空気口です。底には明るい色の砂利を敷きました。

 

ご法要も無事に終わりました。お客様には、「きれいになってお参りもしやすくなったので良かったです」とおっしゃっていただけました。また、手前につけた階段は、ご年配の方でも安全に登れる段差の高さが良いと安心していただけました。徳山石は石そのものの質が良いので、50年経っていてもまだ磨きが残っていて、クリーニングをしてここまできれいにすることができました。やればやるほどきれいになるので、クリーニングのやりがいがある石ですね^^ さすがは山口県を代表する銘石!と感じましたし、これまでご家族で大切にお参りされてきたおかげでもありますので、きれいになったお墓にご納骨ができ、喜んでいただくことができて本当によかったです。このたびは当社にお墓のご相談いただきまして、ありがとうございました。これからもどうぞ末永くよろしくお願いいたします。